秀逸な話

秀逸(言いたいだけ)な話。

御殿場の秀逸な話

泥酔物語

深夜前の先日。

唐突的なイベントの如く、とにかく酔っている友達を迎えに行った。

「今から行くわ!」みたいなノリで。

 

深夜前にも関わらず、1つ返事の勢いでなぜ迎えに行ったのか。

 

遡ること8年前の1月。

20歳になったばかりの私はまだ人見知りだった。

人見知りを治したいなー、毎秒1億円振り込まれないかなと思っている矢先に「ゲイが集まって飲み会を開こう!」という謎のコミュニティもといメッセージを見つけた。

人見知りを治したい私は、酒の席であれば多少はお話ができてあわよくばゲイ友達でもできればいいなと思い参加を表明。何も考えずに。

 

飲み会当日。

指定された居酒屋へ入り、テーブルへ通され、座っている方々を見ると20代の見るからにホゲている方達が談笑していた。

10分前に到着したのに最後に座ったのは私だった。

私を含め計8人で飲み会がスタートしたが、乾杯し自己紹介の流れの時点で私は察した。

「ただの飲み会じゃない…これは仲良しメンツの飲み会…」だと。

要するに、仲良しメンツの飲み会は定期的に設けられており、レギュラーメンバーでは話題も尽きるのでゲストでも呼んで、飽いた空気に穴を開けようという飲み会だった。

不覚だった。

アホだった。

詮索もせずに参加表明をした自分を殴りつけて、ベッドに押し倒してやりたくなった。

 

一度冷静になろう。

俯瞰してメンツを見ると8人中、6人は仲良しメンバーで共通の友人の恋愛沙汰について盛り上がっている。

残り2人のうち、1人はイケメンお兄さんと残念お兄さんこと私。

イケメンお兄さんも人見知りのようだったので頑張って話しかければワンチャンあるんじゃないかと思って、話しかけようとした。話しかけようとした。話しかけようとしたんだけど、イケメンお兄さんはイケメンなので、レギュラーメンバーが食いつく。

私の入る余地は3センチくらいしかなく、ゆるい会話しかできず。

 

なんなら、3センチの隙間に入る私がシャクなのか、残念お兄さんの私の存在がピエロなのか知らんが、芋焼酎のロックを「お冷が来たわよ!一気!」みたいな謎のコールが繰り広げられ、芋焼酎のロックが目の前に出される度に私はワンコ蕎麦の要領で流し込んでいった。

今思えばあのコール、あの飲ませ方はゲイバーのノウハウが詰まっていたように思う。

 

短時間の間に濃いアルコールを摂取した私は気づけば寝ていた。

目を開けるとレギュラーメンバーもゲストのイケメンお兄さんも居なかった。

男性の店員が「閉店の時間なので店を出るように」と促しに来たものの、体中アルコールまみれの私はまともに歩けず、ゾンビfeat妖怪みたいな感じで4足歩行になりながら店を出た。

 

深夜の1月はとても寒かった。

とてもじゃないが身動きが出来ず、店の近くの路地裏で震えながら、当時仲の良かった先輩に電話をかけていた。

記憶は無いため、先輩からの証言しかないが電話口で「◯◯の店の前にいます。酒を断れずにたくさん飲んで動けない。寒くて死ぬから迎えに来てください」としきりに早口で、ろれつが回らない感じで唱えていたらしい。

バーを経営していた先輩が、私の友達に連絡を取ってくれたお陰で友達が迎えに来てくれた。

翌朝の起床まで記憶は失われているものの、友達が迎えにくると自力で起き上がり乗車し、実家の住所を念仏のように唱えていたという。新手の妖怪か。

また、玄関前まで到着した時に安堵感からかvomit allしたらしく、吐瀉物に塗れた息子の服を両親が脱がしてくれたらしい。成人してから親に裸を見られる機会はあまり無いと思う。

 

以上のエピソード、経験から酔っ払いには優しくしようと心にキメている。クスリはキメてない。

酒でたくさん迷惑をかけてしまったので、せめてもの恩返し。

今度は介抱する側で迷惑をかけられようと思う。

しかしながら、人間は同じ過ちを繰り返してしまう。

酒の飲みすぎでアルコールアンデッドになることが数年に1度起きているので、気をつけていきたい所存。

 

 

 

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