秀逸な話

秀逸(言いたいだけ)な話。

御殿場の秀逸な話

あの日の餃子、くれてやるよ

24時間営業の無人餃子販売所の餃子がアツいらしい。とチラホラ聞くので、早速MGH(無人餃子販売所)に行ってきた。夜中に行った。室内灯や看板が激しく明るかったので、他人から見たら、飛んで火に入る夏の虫かもしれん。虫ならカブトムシがいいなぁ。角は巨根でお願いします。

 

壁に「36個1000円」と書かれていたので、大型冷凍庫から36個入り餃子を手に取り、賽銭箱のような箱に1000円を入れた。シンプルなシステムに感動。田舎にある、MYH(無人野菜販売所)を思い出した。

 

そして先日、餃子を調理することにした。フライパンが無いので中型の深鍋を温め、油を30㏄入れ、餃子をくっつかないように並べて、熱湯を100ml注ぎ、蓋をすぐに閉めたあとに、強火で5分。5分経ったら、蓋を開けて、水分を飛ばした。全て説明書通り。

 

コマーシャルに出てくるような餃子をイチ早く食べたい!という欲求を抑えながら、ヘラで餃子をすくった。すくえなかった。

 

餃子の底が深鍋の底とベッタリくっついたせいで、餡は散らばり、食べ終わった後のような、ぐちゃぐちゃな餃子。鍋の中は、悲惨な状況に変わり果てていた。「まぁ、1個目やし、力加減とかもあるし、油がうまく引けてなかったんでしょ。さぁ、次、次」と次々と餃子をすくった。すくうたびに鍋の中は地獄。仏なんておらんかった。

 

皿に餃子の形をした地獄を移した。鍋の中も皿も地獄になった。彼氏と一緒に「ぎょうざ、うまいね」と言いながら食べた。これが本来の餃子であればもっとうまかったはず。リベンジするしかある。

 

翌日、地元で「餃子のジュン」と呼ばれている後輩に餃子の焼き方について、ビデオ通話を用いながら指導を仰いだ。ジュンは「深鍋じゃなくて、あれです、フライパンを使ったほうがいいっすよ、で、5分経った後、水分を飛ばす工程でごま油をちょっと入れると最高っす」と言い残して、霧の森へと帰っていった。

 

説明書通りの手順、分量に加えて、ジュンの指導通り、フライパン、ごま油を使って調理した。インスタグラムで出てくるような餃子をイチ早く食べたい!という欲求を抑えながら、ヘラで餃子をすくった。すくえなかった。

 

前回と変わらず、地獄になった。へらですくおうとすると、皮が破れて餃子の中身が飛び出し、あたり一面地獄になった。今回もダメだった。餃子に愛されてないかもしれん。このまま餃子が焼けない32歳になってしまうんだろうか。

 

餃子の調理に自信ニキがいたら、ご指導ください。まだ、光は消えていない。地獄の中でも諦めない。

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