秀逸な話

秀逸(言いたいだけ)な話。

御殿場の秀逸な話

間祝

四国の友人らが結婚した。立て続けに。非常に喜ばしい。本当は、ビデオレターを送りたかったが、結婚した友人の周りから、そういう類いの連絡は一切来なかったので、観念した。

 

しかしながら、地元で「転んでもタダでは起きない漢」略して「タダメン」と呼ばれていた私。自撮り棒を用いて30秒のお祝いメッセージを撮ることにした。オレなりに祝いたいという考えに至ったワケ。メッセージを撮るうえで、正装(スーツ)は自分らしくないなと思った。「自分らしさ!ダイバーシティだよね!」と壁から女の声が聞こえてきた。

 

女の声はとりあえず無視して、好きなブランドのシャツの上に、黒色のタンクトップを重ね着した。レイヤードはオシャレの基本やね。

 

服装は清楚な感じにしたから、髪型はハッピーな方がいいかな、と思い、フロントから見て右側は3ミリくらいに刈り上げた。黒い芝生のようで清潔感以外は感じられない。

 

真ん中~トップにかけては高さ60センチくらいのトサカにした。いわゆる、モヒカン。祝い事なので赤色にした。

 

そして、フロントから見て左側はコーンロウにした。理由としては、コーンロウのように2人で編みあっていくように、強力しながら生活して欲しいという願い。もちろん、祝い事なので白色にした。

 

最後、後頭部から襟足にかけてはパーマをかけた。特に意味はない。しいて言うなら、パーマをかけた人が好きだから。結婚式に全く関係ない。これが大人の遊び心。

 

セットが終わり、鏡を見るとキメラが立っていた。何がしたいか分からない髪型の男性が立っていた。キメラから結婚式のメッセージを貰ったら嫁さんは、恐らく、ぶっ倒れてしまうかもしれない。他者視点で見ると自分がちょっとだけ狂ってるように思いはじめ、これはいけないな、超えてはいけない所に足を踏み入れてしまったと自戒。泣きながら頭を3ミリに丸めた。メッセージ収録も諦めた。

 

力無く丸めた頭で、でも、どこか天使のようなエモーションで「結婚おめでとう」の6文字を送ったら、死ぬほど喜んで嬉しいんだろうなぁという感情がこもった文章(長文)を貰った。どっちが結婚したんか分からん。

 

オレは坊主になったけど、周りの友達、後輩、先輩には幸せになってもらいたい。幸せの尺度は違うから何とも言えけど、自分らしい幸せを見つけて欲しい。とか言ってたら髪の毛がぐにょぐにょと伸びてきて加齢を感じる。春はすぐそこ。杉の木を切り倒そう。

 

 

 

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