秀逸な話

秀逸(言いたいだけ)な話。

御殿場の秀逸な話

カレーは世界を救う

エイの交接器がとんでもなく気持ちいいらしい、と友達から聞いたので、エイを抱くべく海に向かおうと思った。が、3時間経っても24時間経っても私は家にいる。
なぜか?主な理由としては、エイを釣る機材が無いし、沿岸部まで出るための車両および運転免許証がない。なんなら、流行り病を恐れて外出を控えている。

 

流行り病が国内をブンブンいわせるようになってから、買い物以外の外出は半年に1回程度になった。

流行り病に体を蝕まれ、重症化。命が燃え尽きる直前に「なんであの時に遊びに行ってしまったんだろう。まさかこんなことになるなんて」と、後悔の波にもまれながら天国へジャンプ、なんてことも考えられる。

 

なので私は「死んでもいい」覚悟を背負って遊びに行ってる。重すぎる覚悟。ヘヴィな男性(31歳)

そんな覚悟を持っているものの、行きたいイベントを見つけてしまった。人間とはなんと欲深いんでしょう。


そのイベントは8月のとある期間内に、都内のデパートでスパイスカレーフェアを開催するという、とてつもなくハッピーでオッパピーなハートフルなイベントなんす。
2020年から2021年の約1年間もの間、ほぼ毎日スパイスカレーを作った私なのでめちゃくちゃ行きたい。めちゃくちゃ食べたい。めちゃくちゃ五感を研ぎ澄ませたい。

 

しかしながら、現在の私は味と匂いに関する機能を奪われているため、白いヤミに包まれながらカレーを食べているような感覚に襲われてしまうのが事実。


先日、パン屋の食パンを購入し、開封したところ、納豆臭が鼻に突き刺さった。慌てて彼氏を呼び「このパンから納豆臭がするのでニオイを嗅いでくれ」という旨を伝え、 麻薬探知犬ばりにニオイを嗅いでもらったところ、「食パンのニオイしかしない、香ばしい」という報告をされた。実にショックだった。

 

こんな状態でスパイスカレーフェアに行ってしまうと私はどうなってしまうんだろうか。頭を抱えながら、考えてしまった。
恐らく、スパイスの香りはするものの、旨味はイマイチ分からず屋。プールの中でゴーグルを付けずに目を開くような気分。効果はいまひとつのようだ!炎タイプに草タイプを出すのはやめよう!ベイブレードだ!!!

 

こんなことなら広い海を自由に泳ぐエイになって、エビやカニをボリボリ食べたほうがいいかもしれない。
ただ、漁師に囚われてしまい意中ではない男性に船上もしくは砂浜で犯されるのは嫌だ。というか、私は男なんですけど?交接器ないんすけど?

 

こうなったらエイを背負ったまま、スパイスカレーフェアに行くのもありかもしれない。
嫌いなやつに出くわしたらエイの尻尾を向けて牽制もできる。好きな人に出くわせば「ほらホンモノのエイだよ?特別に触らせてあげるよ。近くで見たら意外とかわいいんだよねぇ!」なんてことができてしまう。スネ夫っぽいけど。エイ、恐るべし。

 

ただ、悲しいかな。エイは死んでしまうと徐々にアンモニア臭が漂うらしい。
体の一部器官が長期休暇に入ってる私でも、アンモニアのニオイは分かるのでスパイスカレーフェアに行くこともエイを背負うことも叶わなさそう。

 

もしも願いが叶うならば、エイを背負いながらスパイスカレーフェアを楽しみたい。

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