秀逸な話

秀逸(言いたいだけ)な話。

御殿場の秀逸な話

大晦日ローリング

2020年が終わる。あと、4時間ばかしで2021年が訪れる。あっちゅー間に過ぎ去った1年だった。

 

春先には彼氏と同棲を開始し、カレー作るにハマり、ほぼ毎日スパイスカレーを生み出していた。そんな1年。外出中、金が落ちていないか?と下を向けば社会の窓がOPENしていた年といっても過言ではない。

 

先日、人生で初めてルーからカレーを作った。

具材を炒め、煮る。スパイスカレーを作るのとあまり変わらない。手順が少し違う程度。

しかしながら、スパイスカレーと大きく違うのはトマトを入れたりすることか?アクを取らないことか?否。ルーを投入することだ。

 

ルーの入ったパックをゆっくりと開封する。黒い塊が4つ並んでいた。黒い塊がじっと私を凝視してた。刺さる視線をシカトし、香りを嗅ぐと、ふんわりとカレーだ。しかしながら、こんなものカレーじゃない。カレーのまがいものだ。ふざけてやがるッ。何がカレールーだ。ルー大柴か。

 

メンチを切りながら黒い塊を3つ手に取り、鍋に入れた。入れた後、少し待ち、煮た具材にルーを溶かすように木ベラを動かす。

 

異変が起きた。

 

スパイスを使っていなにいにも関わらずスパイスの香りがキッチン、私の鼻孔をぐひゃぐひゃとくすぐった後に体中にまとわりついてきた。ねっとりと、しかし、赤子を抱くように優しく。

 

Howling at the moon

 

そいつはそう囁いて。鍋に消えた。

 

いぶかしげに思いながらも、木ベラを使いルーとルーではないものを混ぜ、何かを作ろうとした。

何かは5分後カレーになった。しっかりとした意識の中、しっかりとした手つきで炊飯器から白米を皿に盛り、その隣にカレーを注いだ。

 

2年ぶりに食べたルーのカレーは、どこか懐かしくノスタルジックになりながら食べ終えた。

 

そして、本日大晦日

2日目のカレーはカレー蕎麦にした。

カレーに始まり、カレーに終わる年だった。

来年は30歳になるし華麗な年にしたい、とつくづく思う。

 

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